帰ってきたウルトラマンについて~子供の事オンタイムで見ていた世代ですが、最終回でゼットンが登場すると言う事でかなり超楽しみにしてたのですが、
あっさり倒されてしまい、ストーリー内容も大きく期待はずれに終わりました。…初代,セブンと盛り上がった最終回が新マンがあのような最終回になったのは何か理由があるのでしょうか?
これは、「帰ってきたウルトラマン」のメインライターの上原正三先生と、市川森一先生を、シルバー仮面の企画と脚本に引っ張った事が主な原因です。いままで帰ってきたウルトラマンが背負ってきたテーマ性をシルバー仮面でさらに展開するもくろみでした。
シルバー仮面で橋本洋二プロデューサーとの脚本をめぐる戦いは熾烈を極め、市川先生は、もう戦いぬいてしまった。とコメントした程。上原先生も、自分としては帰ってきたウルトラマンは37・38話で終わっていた。とコメントしています。
その間、「帰ってきたウルトラマン」は人気があるから大丈夫、と判断されて、路線を怪獣バラエティ路線にシフトしたため、いわゆる骨抜き状態になってしまいました。いままで本筋ではないゲスト脚本を担当していたライター陣がラスト4クール目を背負ったのですが、設定の破綻も著しいものがありました。特撮現場でも、一着の着ぐるみ予算で毎回2体の怪獣を出せ、という指示が出たので、開米プロでは相当な突貫工事の仕事をしたそうです。
シルバー仮面が破綻しても、スタッフはそのままウルトラAの企画に入ってしまったので、1月から3月の「帰ってきたウルトラマン」は一本芯が入っていない、いわば一話読み切り作品の集合体になってしまいました。
上原先生は最終回の脚本を担当しますが、すでに38話で、郷秀樹と坂田兄弟との話は描き切ってしまったので困ったそうです。ここでは、次作ウルトラAに続くウルトラ兄弟の設定を披露しなければならなかった事と、その設定を生かすためにウルトラマンは突然帰らなくてはならなくなった事、ウルトラマンが逆境を克服する最後の難関怪獣はどうしてもゼットンでなければいけなかった事、本来郷秀樹と坂田アキが迎えるはずだった三三九度の場面を、夢落ちとはいえ、ルミ子さんに代役をさせる事など、帰ってきたウルトラマンを終わらせるための話作りになりました。
それで、あわただしい最終回になってしまったのだと感じるのだと思います。
朝日ソノラマ「宇宙船」1984年19号の「特集・帰ってきたウルトラマン」20号の「特集・これが70年代の特撮だ。シルバー仮面」朝日ソノラマ宇宙船文庫「帰ってきたウルトラマン怪獣事典」の特集記事とインタビューを参考にしました。
余談ですが、上原正三先生は金城哲夫先生の弟子ではありません。
脚本家の上原正三は第33話《怪獣使いと少年》が番組関係者の上部から問題視され脚本を書かせてもらえなくなりました。
いわゆる業界用語で…,
[干される]というやつ。
第37話と第38話の前後編の脚本は第33話完成前に書かれたので使用されたものと思われますが以後、上原脚本の作品は存在せずメインライターの立場上、最終回のみ再登板となりました。
脚本を書かせてもらえなかった空白から最終回の展開を上手く盛り上げられなかった…可能性は無きにしもあらずです。
ただ『初代マン』『セブン』の最終回は上原正三の師匠に当たる名シナリオライター金城哲夫の作品ですから脚本家そのものの力量の差の問題でもありますし上原自身、かつて金城哲夫が書いたウルトラシリーズには敵わなかったのを認めており『帰ってきたウルトラマン』終了後、円谷作品から遠ざかり東映作品へとシフトしています。
3月終了の予定がヒロインの榊原ルミのスケジュール都合で12月に降板、そこからややずれたような気がします。
団治朗と榊原ルミ、昭和56年のロボット8ちゃんで久々の共演、お互い歳とったなあ、と思ったそうです・・・
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