何故ウルトラマン80には過去のウルトラ戦士の助っ人が殆どなかったんですかね?
それは、ウルトラマン80は第三期ウルトラシリーズとして制作されましたが、80の作品の基本テーマのひとつに、”原点回帰”が掲げられていたからです。
それはウルトラマン80の外見だけでなく、作品や設定にも色濃く表れています。
原点回帰という事で、外見や設定は初代ウルトラマンを意識した部分が多く(エピソードではウルトラセブンを意識したと思われる話もあり)、体色や模様は初代マンをベースに、マスクも弥勒菩薩をイメージし、初代マンのBタイプ(初代ウルトラマンは撮影時期により、マスクが3タイプに別れている。)に近いマスクとなっています。
しかし当然、原点回帰を図りながらも80としての独自性もださなければならず、頭のトサカを赤く塗ったそうです。
劇中の設定でも、防衛チーム・UGMの隊長も初代マンの時がムラマツ隊長ではなく”ムラマツキャップ”と呼ばれていたように、80でも”オオヤマキャップ”と呼ばれ、そういう設定となっています。(しかし、一部書籍や媒体には”オオヤマ隊長”と表記されている物もあるが、正しくは”オオヤマキャップ”)
変身アイテムも80は初代マンのベータカプセルに似た、ブライトスティックがありますが、ブライトスティックは変身時だけでなく、銃のアタッチメントにして洗礼光線を放ったり(人間に化けたゴルゴン星人の正体を暴いた)、バリヤーを張って防御もできる(ギマイラ戦で実証)などのベータカプセルより数段上の優れものの設定です。
技の設定でも80は初代マンや帰ってきたウルトラマン、ウルトラマンAらと同じ「ウルトラスラッシュ(八つ裂き光輪)」の技がありますが、あの技やウルトラ念力も公式設定で初代ウルトラマンから教わった技(円谷公式ビデオでも言及)となっています。
それに80は等身大やミクロ化が可能ですが、これは同じ等身大やミクロ化での戦闘が多かった、ウルトラセブンを意識した設定だと思われます。(等身大での戦闘シーンはありません。)
エピソードでは、惑星ガウスの生物が地球のミサイルによって破壊され、ガウス星の生物がその影響で怪獣化して怒り、地球に報復に来る話はセブンのギエロン星獣の回に似ています。
少年怪獣になってしまったテツオンの体内で、ミクロ化して宇宙植物と戦う話は、少女の体内でミクロ化して戦った、セブンの宇宙細菌ダリー戦とよく似ています。
他にも80の絶体絶命の危機に、80を助けて庇い怪獣ザキラに殺された渡り鳥怪獣バルの話は、人間の味方をし人間を庇って怪獣に2度も(2体)殺された、初代ウルトラマンのピグモンの話と少し似ています。
他には初代ウルトラマンに登場した、怪獣ゴモラ(80のは二代目)や、バルタン星人も(80のは五代目と六代目)2度も登場しています。
なので、他のウルトラ兄弟やウルトラ戦士が実際に駆け付けての救援が全くなかった(ウルトラの父はテレパシーのみ)のは、同じく一切の救援がなく孤独に戦ったウルトラセブンを意識していたと思われます。
このようにウルトラマン80は、設定やエピソードに初代ウルトラマンやウルトラセブン等を意識した、又は意識しているのではと思われる部分が多いのです。
アクロバティックなキック技、ジャンプ、バク転や側転など、戦闘時の手の平を伸ばした時の手刀の「シュオッ、シュオッ」の音、ウルトラマンAと肩を並べる多彩で鮮やかな約28種類の光線技などは、ウルトラマン80独自の設定です。
ウルトラマンシリーズ自体がタロウで行くところまで行って、何らかの形で仕切りなおしが必要だとスタッフが感じていたからです。
決して、ウルトラ兄弟が80をハブっていた訳ではありません。
まず、ウルトラマンレオの時に今までのシリーズと繋がらない作品を作ろうと言う案は既にあったらしく、それは、次のザ☆ウルトラマンで実現します。
それに続く、80も最初のウルトラマンに近い感じにしようということにしました。
ただ、教師になった時点で全然最初のウルトラマンから遠くなりましたが。
客演がユリアン一人で、あとは父がテレパシーで励ますだけなのもそのためです。
その傾向は、更に続き、グレートでウルトラ兄弟と関係ない作品世界を構築したり、パワードで最初のウルトラマンをリメイクしたり、ティガでついに完全に別世界になったのもその辺に起因します。
0 件のコメント:
コメントを投稿