ウルトラマンの原作者金城哲夫氏はウルトラマンやセブンを自分と重ねていたというのは本当ですか?
「ノンマルトの使者」などにその思いが表れているそうですが。
金城氏は侵略された沖縄人として日本本土への憎しみを持っていたんですか?
金城氏の悩みや苦しみや葛藤ってどのようなものだったんですか?
金城氏はウルトラマンのことをどういうふうに思っていたんでしょうか?
まず原作者と言うと、語弊があるかもしれません。ウルトラマンは決して金城さん一人の手で作られたわけではなく、様々な監督や脚本家の方々がそれぞれのアイディアを持ち寄り、円谷の持てる総力が結集されて作り上がった作品です。
そこにはもちろん個々人の思いもあり、金城さんが自分の沖縄への思いをウルトラマンに投影していたことは、否定しようにもできないことでしょう。「ノンマルトの使者」は確かにそんな氏の胸の内が赤裸々に描かれた、魂の叫びとも言える作品です。しかし、金城さんはそもそもメインライターとして、いわゆるウルトラシリーズの中では王道的とも言える作品を多く手掛けていたことは事実で、むしろノンマルトのようなのは珍しい例と言えるでしょう。彼はあくまでも自分の主義主張はとりあえず置いといて、他のライターやスタッフが自由にウルトラを作れるよう指針として働いておられた方です。それについては、同じく沖縄出身の脚本家・上原正三さんも語られていて、ノンマルトについて「金城が、あそこまで自分を暴露したことは無かった」と述べられています。
金城さんについては様々な書籍も出版されているので、あまり私がしゃしゃり出るようなことはしたくありませんが、氏は決して本土を恨んでいたわけではないと思います。沖縄海洋博を通じて、本土と沖縄の架け橋になろうとしていたというのは、有名な話です。彼は反目し合うのではなく、常に共に歩み合う道を模索していました。それが周囲に理解してもらえずに悩んで酒に溺れてしまい、早すぎる死を招いてしまったことも事実でしょう。ウルトラマンは地球人でも宇宙人でもなく第三者的立場で平和を守ってくれましたが、まさしくそれは沖縄と本土を第三者的立場で繋げようとした金城さんに繋がるかと思います。
言葉には出さずとも、ウルトラマンは彼にとっても憧れのヒーローだったのではないでしょうか?
以前放送されていたウルトラマンのテレビ特集でセブンの監督の満田かずほ(ノンマルトも監督しています)さんがそのことについておっしゃっていたと思います。
当時金城さんと一緒に飲んでいた際、「俺たち人間ってどこから来たんだろうね…」というようなことを満田さんがポツリと言うと、「ああ、それいいね!」といった感じで金城さんが答えてそれがきっかけで脚本ができたと語っていました。
もちろん最終的に脚本にする際に沖縄人としての思いを込めたというのは十分考えられますが、本土への憎しみとまではいかなかったと思います。「ノンマルトの使者」には当時問題となっていたベトナム戦争による正義や価値観の転換が根底にあるのではないかと私は思っています。
金城さんがウルトラマンをどう思っていたかですが、ウルトラマンの「禁じられた言葉」は一つの参考になると思います。地球という人類にとっての「故郷」を奪おうとするメフィラス星人の「貴様は宇宙人なのか?人間なのか?」という問いに「両方さ。」と答えるハヤタ隊員。のちに日本と沖縄の架け橋になろうと奮闘した金城さんの思いが込められているのではないかと思います。
ただ金城さんが沖縄人としての葛藤を持っていたというのは事実だと思うので、それについては様々な書籍やドキュメンタリーを参考にされるといいと思います。
イや・・・こんなところで質問しないで、資料を見た方が・・・。
大体、ウルトラマンやセブンが地球人に敵意を持っているように見えますか?。
宇宙人として地球人や地球を愛したウルトラマンの姿が沖縄人でありながら日本本土を愛した金城氏と重なるという点がまずあると思います。
逆説的に沖縄人という点で差別される事も稀にはあったようで、酔った恩師に馬鹿にされた事もあったとか・・・。
後は、参考資料が山のようにあるので自分で調べた方が理解できるでしょう。
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